8月31日が期限となっている国の概算要求が公表されています。この中で、デジタルとか地方自治体との関連が強いデジタル庁、内閣府、総務省、経済産業省について新規項目等を確認していきたいと思います。
まず、デジタル庁ですが、事業官庁ではないのであまり項目はありません。ひとつあげるとすると、「AI活用に係る経費」が新規の事項要求(金額はこれから)として計上されていましたが、「内容は検討を進める」とあるので、研究会などの実施ではないかと思います。
次は、内閣府です。内閣府はデジタル田園都市国家構想を所管していますので、その予算が計上されています。中心となるデジタル田園都市国家構想交付金は200億円増の1,200億円。ただ、R5年度予算の場合はR4補正予算でデジタル実装タイプと拠点整備タイプの800億円が計上されていましたので、そのあたりがどうなるのかがわかりません。
その他には、スーパーシティ構想等推進事業として3.6億円。これはデータ連携等に関する調査研究費用のようです。新規としては、地方自治体の伴走支援を行うための「デジタル実装計画策定支援事業」に3.5億円、R4補正予算のデジタル実装タイプのフォローアップを行うための「地域のデジタル実装に向けたフォローアップ調査事業」に1億円、その他にEBPM推進のためのデータ分析関係の事業も計上されているようです。
総務省では、自治省系の施策として、現在地方自治体の情報担当が取り組んでいる標準準拠システムへの移行やマイナンバーカードの利便性・機能向上、市町村支援のためのデジタル人材の確保・育成に関する予算などが引き続き計上されています。
郵政系の施策としては、光ファイバや5Gなどの基盤整備の予算、高齢者等に向けたデジタル活用支援のための予算が計上されていますが、新規の事業は、「AI 等のデジタル技術の活用による総務省の働き方改革の推進」の1億円や、LLM開発に係るNICT関連の予算10億円などとなっていました。
経済産業省では、デジタル社会の実現・生成AIへの対応という項目にまとめ計1,591億円が計上されています。ただ、メインは半導体の製造サプライチェーン強靭化支援事業の1,078億円の再掲で、その他は産業 DX のためのデジタルインフラ整備事業、データセンターの地方拠点整備、ヘルスケア産業基盤高度化推進事業など継続の事業となっています。